先日、『未来の食卓』という映画を観る機会がありました。原題を『子どもたちは私たちを告発するでしょう』といい、昨年秋、フランスで公開され、ドキュメンタリー映画としては異例のヒットとなった作品だそうです。
舞台は南仏ガール県バルジャック村。小さな村が学校給食と高齢者への宅配の食材を有機農産物に変えていく試みを描いています。きっかけは、この試みの背景に、同村で癌(白血病等)等に苦しむ人々が多かったことに、自身も癌に罹った経験のあるジャン=ポール・ジョー監督が注目したことです。冒頭シーンは、2004年5月パリで行われたユネスコ(国連教育科学文化機関)の会議から始まります。この会議において、パリ・アピール(環境の化学汚染が人体に悪影響を及ぼす)が宣言され、各界の専門家(ガン研究者や細胞生物学研究家、医学博士、環境衛生学教授等)によって具体的解決策が提案されたそうです。http://www.artac.info/index.php?option=com_content&view=article&id=247%3Adeclaration&catid=76%3Aenglish&Itemid=178&lang=fr
私も教条主義的に有機農産物を捉えているわけではありませんが、生産する農家、その家族の健康という視点は大切だと思いました。また、いわゆるフードマイレージの考え方ですが、化石燃料を多く使用し、地球温暖化を進める遠距離輸送も、出来るだけ地産地消に向かうことで軽減されます。
印象深かったのは、スーパーマーケット等で販売されている「安い」農産物も、みかけ上安いだけであって、実は多くの行政からの補助金によって安くなっているだけであり、別の形で皆さんが税金ですでに払っているのですよ、という場面でした。
様々な示唆に富む映画です。上映している映画館が少ないのが難点ですが、皆さんにもぜひご覧いただきたい一本です。http://www.uplink.co.jp/shokutaku/
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