11月某日、昨年から温州みかんの減肥栽培を行っている農場に行って来ました。収穫前にぜひ結果を見てもらいたいと九州駐在から連絡をもらい急ぎ現地に向かいました。減肥栽培とは、通常年間チッソ量20数kg程度施肥するところ、昨年の秋肥を省き、21年も本来であれば、春、夏、秋の3回の施肥を行うところ、夏1回だけチッソ分で7kg施すだけにするものです。
ご存知のとおり、今年は11月に降雨回数が多く、九州のどの産地も浮き皮が多発し程度も酷かったのです。それにもかかわらず、減肥にしたところの果実は浮き皮が非常に少なく、大きさもM,L玉主体で日焼け果も見られないという驚くべき結果でした。加えて、果面が滑らかでキメが細かい上、紅も濃い傾向でした。品種は、某県の奨励品種ですが、青島も同じ傾向で、1樹当たりの収量も300kg以上ということです。
肥料価格が高騰し、土壌診断に基づいた施肥が言われる昨今、このことが示唆することはみかんに限らず、他の作物にも言えることかもしれません。ちなみに、この栽培に「落ち」があります。当社の海藻資材「ケルパック66」、リン酸を同量含んだカルシウム肥料「カルビタP」を使用しています。ケルパック66は発根作用に優れ、少ない肥料でも最大限に吸収してくれます。そして、有機物として土壌微生物のエサとなり、土を豊かにしてくれます。カルビタPは普通であれば相溶性が悪く沈殿を起こすカルシウムとリン酸を1材に配合し、果皮を強化するだけでなく、しっとりした果面とし、同時に紅を濃くし糖度を向上させてくれる究極の資材なのです。これらを使用しても、減肥で節約出来る肥料コストの方が大きいわけです。
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