有機農業推進法の基本方針の概ね5年ごとの見直し時期を迎え、国の食料・農業・農村政策審議会は8月下旬、有機農業推進小委員会を立ち上げました。
農家戸数でも栽培面積でも国内の0.2%というJAS有機をせめて倍にしようという目標を農林水産省は探っているようです。
それでも市町村レベルの関心は低く、実際に指導に当たることのできる人材確保や、土地ごとに異なる条件の下で汎用性のある有機農業技術を確立させる難しさ。
埼玉県小川町で有機農業を営む金子美登さんは、良質なたい肥を安価に提供できる仕組み、(有機農業に関わる)技術を惜しみなく慣行農家に教えてあげられる形、それと販路をポイントとして挙げられているようです。地元の村(行政)が動いたのも自分が地元で有機農業を始めてから30年目だったと言っておられます。
戦後、化学農薬と化学肥料の下に生産力を上げてきた現在の農業を転換しようとすればそれなりの時間と労力がかかることを肝に銘じ、短視眼的になってはならないということなのだと思います。
金子さんは国の機関から選ばれている委員に、有機栽培に適する土の微生物相を何とか明らかに出来ないものか問うています。それに対し、かの委員の答えは微生物相を指標にすることは非常に難しい。何千、何百万という微生物がいて、人間が培養したり、認識しているのはごく一部だと。微生物の働きについてもまだ解明されていないことが非常に多いと。
有機種苗の確保の問題もあり、有機農業への道はまだまだ細いものだということがわかります。
しかし、化石燃料や海外資源に頼る農業の是非、TPP等を考えたとき、この道を外れてはいけないのだと思います。皆さんも現在そして今後行われる国の議論に注目してください。
この10月20日(日)には日比谷公園で「土と平和の祭典2013」が開催されます。時間のある方はぜひお運びください。(tanemaki.jp/saiten2013)
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